藤野から丹沢の山々は手前の里山に隠れてほとんど見えないのですが、その例外が大室山で毎日通る日連大橋からもピラミッドのような三角の姿を眺めることができます。特に峰山からの大室山は堂々として素敵です。
そんな大室山なので、早いところ登ってみたいと思いつつ、7歳の息子と一緒ではちょっと厳しそうなので延ばし延ばしにしていたのですが、祖父母が来るタイミングで妻子をそちらに任せ高校の先輩と一緒に登ってきました。
いちばんポピュラーなルートは加入道山を経由して山頂をめざすコースのようですが、ハイキングに行ったのが11月23日でだいぶ日も短くなっているため、日帰りするには少々不安があり、茅ノ尾根コースをピストンで往復することにしました。
藤野でピックアップしてもらい道志みちを西へ進み、野原の吊橋脇にある駐車場に停めました。少し先の久保吊橋からのスタートでも大差ないでしょう。なお、藤野のローソン以降コンビニはないので、食料は事前に用意しておくことをお勧めします。
駐車場に車を置いて吊橋を渡ります。ここから見る紅葉は素晴らしく美しいのですが、写真に撮ると吊橋のワイヤーが写り込んでしまうのが残念です。橋を渡って右へ遊歩道沿いに歩き、細い川を渡ります。ここにあった橋は台風で流されてしまったようで数m下流にコンクリートでできた橋が無惨に横たわっていました。さらに数分歩くと 左に分岐が現れ、ここから登山がスタートします。
茅ノ尾根コースは高度で見ると本当にピラミッドのような三角形を描いていて、ほとんど同じ角度で登り続けることが分かります。初めからかなりの急登で、見えぬ山頂へ向け直登していく感じです。
登り始めの辺りは広葉樹が多く、ふんわりした落ち葉の上を歩くのでクッションとなり足への負担が少ないです。思った以上に風が冷たく、天気はよかったのですがかなり厚着したまま登りました。
1時間ほど歩くと久保・大渡の分岐に到着します。この先からまた急登になりますが、この登りを越えると林の中ながら眺望が開け、左側に蛭ヶ岳〜檜洞丸と丹沢の主脈がよく見えるようになります。ここから先は眺めもよく、気持ちのいい山歩きができます。広葉樹〜杉林〜松林〜ブナ林のように植生が変わっていくのも面白いです。
山頂が近づいてくると大きなブナの木が目立つようになります。朽ち木には巨大なサルノコシカケが…元気な木には生えないんでしょう。
頂上近くなると気温の低下を感じます。体感的には下は秋で、上は冬といった感じです。風がほとんどなかったので助かりました。
登山開始から2時間40分で大室山山頂(1587m)に到着。山頂手前でようやく富士山の姿を見ることができましたが、枯れ木の枝越しになってしまうのが少々残念。
山頂でお湯を沸かしカップうどんをいただきます。寒い時期はこれがいいですね。丹沢の山々はまだ積雪がありませんが、遠く八ヶ岳はもう白く見えます。
ゆっくり食事を済ませて下山。登ってきたのと同じ道を下ります。落ち葉が足にやさしく、ガシガシ下りても膝への負担が軽減されるのでかなりのスピードで下りることができました。登り2時間40分に対して下りは1時間15分と半分以下の時間で済み、2時過ぎの下山を見込んでいたところ1時10分には下りてくることができました。
コース全体を通して、丹沢主脈と比較すると道標は少なく、落ち葉で道がはっきりしないところも多いので、ピンクのテープを見失わないように歩くのが大事です。ちなみに上りの途中では誰にも会いませんでした。山頂と下山中に数人すれ違う程度の静かな登山が楽しめます。
ヤマレコにも記録を残しました。
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